音楽を作る上で演奏家は音楽の構造上の分析をはじめとして様々なアプローチをします。
●ここのフレーズは何を表しているのか
●何を描いているのか
●どんな情景か
●どんな感情か
●どんな物語か
etc.
こう言った、一見抽象的とも言える表現を、音の流れ、テンポ、強弱、音色などを駆使して、具体的な音に変換していきます。
(『音』の事を、具体的と言っていいのか、は微妙ですが、『何を表しているかのイメージ』が頭の中の物なので、抽象的なのに対して、実際に耳で聞こえる『音』を具体的、と仮に、ここでは表現させて頂きます)
私なりに言い換えると、
言葉や、映像でのイメージを、身体的な感覚にまで落とし込んでいく
という事だと思っています。
これは、あくまで私見なので、そういう考え方もあるんだな、という感じで読み進めて下さいね♪(´ε` )
例えば、
水滴が落ちる
のを表現するとします。
どれ位の高さから、何に向かって落ちるのか
イメージが出来たら、その感じを例えば右手を上から下へ動かして、感じてみます。
手は水ではありませんが、動かしてみると、どれ位のスピードなのかを『体感する』事ができます。
上から下に行くにつれて少しスピードが早くなるでしょう。
そして下に落ちた時にはどうなるのでしょう。
硬いところに落ちて飛び散るか
視点が遠くにあり、水溜りに落ちて波紋が広がるのを感じるのか
視点が近くで、水溜りに落ちて波紋1つ1つの揺れを大きく感じるのか
それらの動きを身体の感覚として、感じるのです。
そして、その感覚を持って、楽器を演奏していくのです。
●極力その感覚に近い音
●どんな演奏の仕方なら、演奏中にその感覚に自分が近くなるのか
●どんな演奏の仕方なら、その感覚のイメージが掴みやすいか
『音で表現する』と言うのは、頭で考えて、大きな音で吹こうとか、この音色で吹こうとか、いう事だけでなく、実際の筋感覚として、感じられるレベルにまで落とし込む
と言う部分も大切かと思います。
感情や物語の表現でも同じ事が言えます。
その感情の時、身体はどうなっているでしょう。深く感じてみて下さい。
そして、そう言った『変換』がより精密になされている演奏ほど、聴いている人にもその感覚が伝わり、情景が浮かんだり、ある感情が沸き起こったり、、
と言う事が起こるのでは無いでしょうか。
ぜひ、好きな演奏者のCDを聴く際は、そう言ったいろんなイメージを持って聴いてみると、音楽表現のヒントが沢山見えて来るかも知れません(*^_^*)
あくまで、私のやり方ですが_φ(・_・
少しでも何かの参考になれば幸いです。
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