クラリネットなど、楽器の練習をする時に、どんな事を考えていますか?
・次の運指の事を考えていますか?
・音楽の流れを味わっていますか?
・難しい箇所の直前で緊張してますか?
・曲を通すのを、人前で行う時に、緊張して普段考えない事を考えていませんか?(いい所見せたい…間違ったら恥ずかしい…どこに目線を向けていいか分からない…手に汗かいて滑る…口が乾いてタンギングがし難い…etc.)
同じ曲を演奏するのでも、本番なのか、誰が聞いているのか、人前なのか、広い場所での練習なのか、狭い個室での練習なのか、いつもの慣れ親しんだ場所での練習なのか、によって、演奏中の意識が行くポイントが変わります。
今日は私が今までの経験で、この意識をコントロールするのに役立った方法を、シェアしていきます(*’▽’)
■『意識を向ける場所』を自分でコントロール出来るようになる
私の経験則から言うと、意識を向ける場所をコントロールできるようになる為には、大きく分けて次の二つの方向性の訓練によって可能になります。
一つは『強く意識する事』。
もう一つは『無意識になる事』。
なんともざっくり過ぎますが(^-^;大きくこの分けるとこの二つと言えます。
■強く意識をする練習
『指』に焦点を置いて、例を上げてお話ししますね。
これは昔、私がピアノを習っていた時代に教えて貰った事です_φ(・_・
『全部ff(フォルテッシモ。非常に強く)弾く練習をしなさい』
というもの(´・ω・`)
強く弾く事で、ピアノの鍵盤を指で押している感覚が強く感じられ、『この音を弾いている』と言う身体の意識が強くなります。そして、テンポを速くして、ミスタッチ無く弾けた時、この指の感覚が何とも言えない喜び、快感を覚えます( ´ ▽ ` )
なんて言うんでしょうねぇ…パズルゲームで一気に消した時とか、どんどんコンボした時みたいな気持ち良さ?(笑)
当時はこの練習の、自分の中での位置づけが、曖昧で『なんとなく、この練習をした後は、ミスタッチ(間違った音を弾く事)が少なくなる。』くらいにしか捉えていませんでした。
けれども、それから年月が経ち、クラリネットを吹くようになって、この『強く意識をする練習』の大切さを、じわじわと感じる様になりました←;^_^A気づくの遅い(笑)
クラリネットで応用するならどうするのか。
ピアノなら指で強く鍵盤をたたく。じゃあクラリネットは?(´・ω・)
クラリネットで応用するなら、二つの練習に別れます。
●息を吹き込んで、しっかりと楽器を鳴らす。(ffで吹く)
一つはこれですね。
曲の強弱は一度無視して、全部ffで大きな音で吹きます。楽器が良く鳴る感覚をつかみましょう。
●指の意識を高める練習。リズム練習
もう一つはこれ。
リズム練習は、当ブログでも、たくさん書いている、指が回るようになる練習の事です。
これらをしっかりやる事で、指の感覚、楽器を吹く感覚が高まっていきます。
■演奏中の意識はどこへ向いている?
曲を頭から最後まで通す時、こんな事がありませんか?
ここだけ(今後Aの箇所とします)吹くなら出来るけど、前から通すと間違う(´・ω・)
ええ。あるあるですね(笑)
それはなぜ起こるのだと思いますか?
Aだけを吹く時、脳はいろんな事を考えています。
『ここの音は間違いやすいから注意しないと』
『この響きが気に入らないな、こう言う吹き方ならいい感じだな』
『ここはこの音を大切にして』…
まぁ吹く場所によっていろんな事を意識して吹いているんですね。
Aの箇所だけ繰り返し繰り返し練習していれば、何度やっても同じクオリティで出来るようになってきます。
それが、いつもと違う場所から演奏し始めると、Aの箇所だけ練習した時とは『違う意識が発生』し、Aが出来ていた意識とは、ズレが生じ、意図した演奏とは違う演奏になってしまう…
と言う事が起こります。
なので、さっき言った『強く意識をする練習』によって、フォーカス、集中する訓練が凄く大切になってくるのですね(´・ω・)
■無意識の(意識を別の所へ向ける)練習
では、『意識』のみについて考える場合、強く意識をする練習ばかりたくさん数をこなしていればいいのでしょうか。
答えは、私は『いいえ』だと思います。
強く意識をする練習は9割は必要でしょう。残り1割を無意識の練習、いえ、正確には、『意識を別の所へ向ける練習』を取り入れると良いと思います。
この9:1と言う割合は、演奏の完成度が上がっていくにつれ、『何を意識すべきか』と言う事がどんどん変化して行くものだと思うので、練習段階での話だと思ってくださいね。
Aの練習をする時、いつも考えている事、それを一旦横に置いて、別の事に意識を集中させてみるのです。
例えば、指が難しい箇所をAとします。
【例1】
いつもAの箇所は指を間違え無いように考えていないと、すぐに突っかかる、間違って止まってしまうとします。
↓↓
それを指をあえて意識せず、間違えてもいいから、ピアノ伴奏を聞く事に意識を集中します。
すると当然間違えますよね。良いんですそれで。間違えて良いから、『ピアノをしっかり聞きながら吹く』と言う新要素を脳に入れる訳です。
多分、最初は慣れないので、ピアノの音を聞いたら指が分からなくなってしまったりするかも知れません。ピアノを弾いている人に、『なんでいきなり下手になったの?』って思われるのが、嫌かも知れませんが、あえてそこへ挑みましょう。
『Aの場所は実は難しくて、全然ピアノを聞く事に集中出来ていないんだ。悪いんだけど、ピアノを聞く練習をしたいから、少しだけ付き合ってくれるかな?』
信頼をおけるパートナーなら、言えると思いませんか(´・ω・`)
数回ゆっくりで良いので、ピアノの人にお付き合いをお願いしましょう。
恥を忍んでこれをやるかやらないかで、その後の成長がまた、変わってきます。
ピアノだけでなく、他のアンサンブルでも同じです。CDなどの音源に合わせたりする時も、自分の演奏ではなく、音を聞きながら演奏する事にフォーカスする時間を作りましょう。
【例2】
大体間違えずに通せるけど、人前だと緊張して間違う事がある。
↓↓↓
予測不能な事態に対処する事に慣れる。例えば演奏中に鳴るように、あらかじめアラームをセットして置いて、通す。→演奏中にアラームが鳴り、意識がブレるけど、気にせずに元の意識に戻る練習をする。
これ、結構面白い練習だと思いませんか(笑)
これはアラームだけでなく、
・誰かに演奏中に部屋に入ってきてもらう。
・好きな映画をかけておいて、そっちに意識をわざと向かわせてみる。そして意識を戻す。
・部屋を歩き回りながら演奏する。
・心配事をわざと演奏途中で頭をよぎらせる。
・泣くかも知れない赤ちゃんを横に置いて演奏する。(※赤ちゃんいる家庭限定 笑)
工夫次第でいくらでも出来ると思います。
■まとめ
この意識を向ける対象を、自分でコントロール出来るようになると、今までより柔軟に、冷静に、演奏中の緊張や予期せぬ事態に対応出来る様になります。
今回は
強く意識する事、そして、意識の対象を変える練習、音楽へ意識を戻す練習
をご紹介しました。
しっかりと音楽に集中する練習も、もちろん大切です。そこが大前提です。
しかし、何が起こるか分からないのが、本番です。あらゆる事を想定して120%の練習をすれば、おのずと良い結果、納得のいく演奏に近づけると思います(^_-)-☆
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