※2017/6/20 更新
どんな分野でも、一流になる為には1万時間の鍛練、努力を要すると言われています。もちろん、だらだらと意識の半分は別の事を考えながらの練習時間をいくら続けても効果がないのですが(´・ω・`)
これでもか、と色々工夫し時間をかけた結果
努力をし続け、楽器、音楽にも真摯に向き合って、基礎練習や、リズム練習(練習方法 基本1★連続3回練習、練習方法 基本2★指が回るようになる練習、練習方法 基本3★指が回るようになる練習、練習方法 基本4★薬指を含む運指の練習、練習方法 基本5★指が回るようになる練習、練習方法 基本6★連譜の中で、弱い所(指が転ぶ所)を見つける)などは毎日の様に続け、メトロノームはもう戦友の域(笑)。師匠の言う事も守って頑張っている。
それなのに!なぜかあと一歩、指が回らない。完璧でない。日によってばらつきがある…。日にちがあくとまた完成度が落ちる。
と言う事はありませんか?
以前、基本7★色々試したけどやっぱり指が回らない時の練習法で『できない音を最後に持ってくる練習』をご紹介しました。
今回は〜色々試したけど〜シリーズのマインド編(^^♪ (こっそりシリーズ化してみました(笑)どれくらい続くか分かりませんが)
※【重要!】気を付けて頂きたいのは、今回ご紹介するのは『色々がっつり練習した後の、最終的にオススメなマインド』と言う事。↑にあげた様な、基本的なリズム練習や繰り返し練習などをすっ飛ばして、これをやってしまっても、効果はありません。むしろ適当な練習になってしまって逆効果です。
何時間も、何十時間も、何百時間もかけて様々な練習をして、それでも解決せず、「あぁ、やっぱりまだ、あと一歩だ…」と感じたタイミングで今回のマインドを取り入れてみて下さいね。(^_-)-☆
苦手意識のある音
私は左手の薬指が鈍かったです。小指と同時に押さえるド♯(ソ♯)↓
これらの音を含むフレーズの練習に苦労する時がありますね。前後の音の並びにもよりますが、私にとって苦手意識が高い音でした。
この苦手意識と言うのが厄介なんです。今回の記事のポイントでもあります。
自分自身で、「自分はこれが苦手」と言うのを感じている事柄は、「自分はこれが得意」と感じている事柄より、成長速度が遅くなります。
ん?(´・ω・)
ちょっと待って。
「苦手」なんだから、成長速度が遅いのは当たり前じゃない??何言ってんの??(‘_’)
まぁまぁ。落ち着いて(笑)
実はここが落とし穴なんです。
もちろん、人には得意不得意と言うのがあります。能力的にスタートラインが違う、と言う事があるのも事実かと思います。
今回焦点を当てているのは、能力の違いではありません。自分自身が、苦手と思っているかどうか、と言う事です。
大事な事なので、もう一度言いますね。
周りの人や先生に「君は○○が苦手だね」と言われたかどうかは問題ではありません。
実際にどれくらいの完成度なのか、どれくらい下手なのか、どれくらい出来ないのか、と言う事は問題ではないのです。
問題なのは自分自身で「私は○○が苦手」と思っているかどうか、なんです。
苦手意識があるとどうなるか
苦手意識の強い箇所が出てきた時に、どうなるのでしょう。
●他の箇所より苦手意識高いところで、筋肉がいつもより硬くなる
●苦手意識が高い箇所が近づいてくると緊張してくる
●他の箇所より身構えて吹いてしまう
●何も考えずに出来るところよりも、一度に色んな事を考えちゃう
●ピンポイントで、『この指を早く動かす』などと、強く意識する
これらの事は、経験がある方も多いのでは無いでしょうか。
苦手意識のある場所を、無意識の内に『特別扱い』してしまうんですね。
これは、極々、自然な事だと思います。
【実験】意識の違いがもたらす、演奏する時の差を感じる
ここで一つ、皆さんにお試し頂きたい実験があります。
楽器はクラリネットに限らず、ご自身の専門で試してみて下さい。
ピアノでもヴァイオリンでも、トランペットでも構いません。
①そこそこ吹ける曲、好きな曲、なんでも構いませんので、どこか任意の場所1フレーズを短く抜き出して、演奏してみて下さい。
苦手意識の無い(少ない)曲、得意なフレーズを選びましょう。
普通に演奏してみてどんな感じだったでしょう?身体の感覚、気持ち、筋肉の感じを、よーーーーく感じてみて下さい。
いまいち、振り返っても分からない場合は、もう一度、深く身体の感覚を感じながら、また、どれ位の出来、レベルで吹けたかを、客観的に見つめながら吹いてます。
②次は、自分に対して次の事を言い聞かせて下さい。強く、キツく、リアルに(笑)
『なんて自分は下手なんだ!下手くそ!この指は全く役に立たない!特に左手のせいで全てが台無しだ!こんなんじゃ、いつまでたっても上手くなりっこ無い!って言うか、薬指本当に鈍い。薬指はやっぱり動かないよ。当然だよ、人差し指に比べたら、使用頻度少ないんだし。いやーダメだーー下手だーーー』
はい。(°_°)
↑は薬指を例にしてますが、ご自身で、苦手と薄々でも感じている事を強く思ってみて下さい。
で、その思いを強く感じながら、自分の悪口を心で言いながら、同じ所を演奏してみて下さい。(※あくまで実験です。日々の練習に取り入れる訳じゃないですよ)
いかがでしょう?
個人差はあると思いますが、①より、②の方が、演奏の完成度が下がっていませんか?
マイナスの意識が筋肉を硬直させた結果です。
③今度は②の逆バージョン
自分を褒めまくりましょう。多少(?)ナルシストでも構いません(笑)(いや、今は実験だからですよ?今だけの話です。普段は謙虚な姿勢で参りましょう。嫌われちゃいます 笑)
『いつも楽しく楽器を吹けるのは、手が自由に動くからだなー、ありがたい。楽しいなー音楽って素敵だなー。この曲好きだなー。ここがたまらないよねー♪』
自分を褒めるのも良いですが↑みたいな感じでも構いません。
このマインドで吹いてみるとどうでしょう?
演奏の完成度は少なくとも、②よりは良くなりましたか?
この実験で、意識が筋肉などに及ぼす影響を、頭で理解するのでは無く、感覚として感じて頂けたかと思います。
『私は〇〇が苦手。』
その思いを繰り返し繰り返し感じていると、無意識に②の実験を繰り返している事になります。
苦手意識を克服する為のマインド
では、やっと今回の本題に入ります。毎度前置き長くてすみませんm(_ _)m
この苦手意識が強くある場所を克服するにはどうしたら良いのでしょうか。
一つ、具体的な例をあげましょう(^^♪
フランセ:クラリネット協奏曲 第4楽章より
写真の楽譜中の2小節目、
ミ-レ-♯ド-レ-ミ-♯ファ
の、♯ド前後の音が苦手意識があるとします。
一度写真楽譜の頭から吹いてみます。指がテンポ通り回ったか、回らなかったかと言う結果に関係無く、♯ド前後で筋肉が緊張しています。
『♯ド前後は苦手』と言う意識だと、上手くここを通過する為に、強い意識で筋肉を支配、コントロールしよう、という意識が脳内でおこります。
ここで、その逆をやるんです。
指の余計な力を抜きましょう。力で支配、コントロールしてその場を上手くやり過ごすのをやめるのです。
指に任せる感覚です。
自分で上手く動かそうとしないのです。その意識が、苦手意識の無い他の筋肉を動かす時の意識と違うところなんです。
大丈夫です。練習なんだから(*^_^*)
どんな変な音が出ても、音がひっくり返っても、指がきちんとふさがって無いところがあっても、今は良いんですそれで。
良いから一度、自分の指を信じて預けてみる。そんなイメージです。
私はこの「自分でコントロールしようとせず、指に預ける」と言う感覚を見つけてから、「余計な力を抜く」という事が分かったような気がします。
この時の筋感覚で、リズム練習、分解練習などをやると、更に効果的ですよ♪
是非試してみて下さい♪(´ε` )
苦手意識は悪者ではない
ここまで読むと、『苦手意識』が悪者の様に感じてしまうかも知れませんが、苦手意識自体は、決して悪い事ではありません。ある意味、自分の弱点を客観的に認識出来ているのですから、良い事とも言えます。
けれども、この彼(苦手意識)こそが色々と私達の身体やマインドに、厄介な事をふっかけてきます(°_°)
彼と(笑)上手く付き合っていく必要がある訳です。(海外ドラマ『SUITS』のルイス・リットみたいな存在。いい奴なんだけど、いい奴になりきれない。厄介事を持ち込んでくるけど憎めない、みたいな(笑)マニアックな例えですみませんm(_ _)m)
今日も長くなってしまいました。
少しでも何かのヒントになれば幸いです( ´ ▽ ` )ノ
コメントを残す